オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



スーパーソースフォロアSEPPのバイアス(改良版)

はじめに

 以前検討した方法は上下のパワー素子のゲートを電圧源でつなぐという扱いづらいものでした。「別にそんなことしなくても、単に上下独立で電流帰還すればできるんじゃね」と思ってやってみたところできました。

www.audio-simulation.net

回路とシミュレーション

 このような回路です。

回路
回路

 0.1Ωの上側に入力側素子のソースが繋がっているのがミソです。これによって出力インピーダンスは0.05Ω+アルファ(深い帰還でも残る素のgm残存分)になります。

 まずはAC特性を見ます。

AC特性
AC特性

 位相余裕が許す限りは帰還をかけて広帯域にできます。アイドリング1Aで帯域を伸ばしてみました。

調整した回路
調整した回路

AC特性
AC特性

 -3dBポイントは25.5MHzくらいです。嘘くさいけど(ドライブインピーダンスが高くなると初段ポールが効いてくるはずだし、それをなんとかしてもスルーレートの限界が・・・)。

 まあ、十分帰還ループに入れられる特性でしょう。

 1kHzで約1W出したときのFFT。

出力FFT
出力FFT

 なにこれ? へたな二段増幅+バッファ構成とかより低歪みです。信じがたいですが、シミュレーションではそう出ています。

結論

 これでいい。