オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



シンプルなディスクリートオペアンプ

 ディスクリートオペアンプを組もうとする場合、素子を増やしすぎると配線が地獄なので、できるだけシンプルな回路にしようと考えます。

 となると、こんなのが候補にあがってきます。

回路1
回路1

回路2
回路2

 回路1はシンプルですが、オフセットとドリフトに悩まされそうです。回路2は部品が増えるので嬉しくない訳です。

 一応ゲイン特性だけ見ます。

回路1のゲイン特性
回路1のゲイン特性

 二段目が肩特性の怪しいMOSモデルと理想定電流なので、低域側は真に受けないでください。ちなみに実機では定電流ダイオードを活用する気なので、二段目を高インピーダンスにすることはあまり期待できそうにありません。

 GB積8.3MHzでした。

回路2のゲイン特性
回路2のゲイン特性

 GB積7.8MHzでした。カレントミラーの位相回転の分、本質的に回路1より不利なのです。もちろん、進相補償で詰めればもう少し行ける可能性は全然あります。

 ……熟考の末、この2つなら回路2を採用することに決定。オフセットはなんとかなっても、ドリフトはどうにもならない・・・

 ただしまだ不安が残るので、二段目も差動にしてカレントミラー合成するのが理想的です。

 素子数が増えてしまうのが難点ですので、まずはこの回路1と2を作って比べるところから始めようかと思います。