オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ミラー効果のシミュレーションと対策について

はじめに 増幅回路のミラー効果は古典的な話題です。アンプ回路においては位相補償に使われるなど、日常的に親しみのある現象でもあります。 改めてミラー効果について確認しておこうと思います。 目次 はじめに 素の増幅回路 ミラー効果のシミュレーション …

レールツーレール出力のアンプ回路

はじめに 通常、出力段にフォロアを持つタイプのアンプ回路では、電源電圧まで出力を得ることは困難です。 特に、正負2電源で動作させるような場合、レールツーレール(Rail to Rail)動作は極めて困難です。これは電圧増幅段の動作範囲で出力可能な電圧の範…

二段差動+カレントミラー合成アンプのシミュレーション

はじめに 二段差動+カレントミラー合成はとてもポピュラーな回路です。 日本の自作オーディオ界隈では金田式GOAで採用されたことや*1、LH0032の回路がこれであるということで有名です。 が、この回路に関しては長年いろいろな疑問を抱いていました。なので、…

疑似正負電源回路についてシミュレーションする

疑似正負電源回路・レールスプリッタ回路についてシミュレーションで考察します

ダーリントンの怪しい話

まず、よくあるダーリントン型のオーディオアンプの出力段を下の図に示します。ダーリントン型出力段 さて、この回路の上側2N3055のエミッタ電流とベース電流を見てみます。エミッタ電流とベース電流 見ての通り、かなりベース電流が小さくなっています。こ…

ワイドラー型オペアンプのシミュレーション(2)

概要 前回の記事でワイドラー型オペアンプをシミュレーションしました。www.audio-simulation.net やっぱり気になったので、歪率を取ってみました。 シミュレーション C1の値を100pFに固定したこと、二段目ゲート抵抗R11を追加した以外変更点はありません。…

ワイドラー型オペアンプのシミュレーション

はじめに いわゆるワイドラー型の平凡なオペアンプをシミュレーションしてみます。なお、ここでいうワイドラー型とは、 初段:差動+カレントミラー負荷 二段目:単段エミッタ(ソース)接地+定電流負荷 終段:フォロア のような構成のアンプ回路のことです…

一石ヘッドホンアンプ

はじめに たまにネットで見かけるような気もする、半導体素子1つで構成されたヘッドホンアンプのシミュレーションです。 設計 簡単に設計の手順について説明します。 まず回路のトポロジーを決定します。 一石アンプは必然的に抵抗負荷*1A級シングル動作にな…