オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



006P一発のディスクリートヘッドホンアンプ

 006P一発だと正負4.5Vで動かすことになるので、意外ときつい制約が生じます。というか、普通の回路だと電圧が足りなくて無理です。

 そういう意味ではバイポーラの電流帰還などが振幅が取れて無難ですし、オペアンプを使えばNFBの力でなんとかしてくれるという考え方もありますが、FETワイドラー縛り、ディスクリートという条件ならどうなるかということで回路を考えていました。

 いろいろ考えたのですが、やはりこの回路になりますかね。

回路
回路

 ALL MOS-FETです。正のバイアスで、バイアス電圧より低いVDSでも動くので最適なのです。初段にJ-FETを入れると肩特性が悪いせいで非飽和領域で使うことになり、いろいろと悩まされると思います。

クリップ波形
クリップ波形

 3.5Vくらい出ます。これは出力段のバイアスが電圧増幅段につかえて決まるので、バイアスの浅い素子を持ってくれば改善します。バイポーラならもっと良いですし、J-FETのコンプリバッファならほぼ電源電圧まで出ると思います(そんな都合のいいJ-FETはもはや入手難ですが)。