パワーアンプ
概要 全段差動PPを半導体で作るとしたら? というテーマをずっと考えていたのですが、MOS-FETのSRPPによって道が開けました。www.audio-simulation.net 回路 こんなのです。回路 なんじゃこりゃと思った人もいるかもしれませんが、シンプルな回路です。初段…
A級アンプの出力段に使えるかもしれないと思い、MOS-FETのSRPPについて調べてみることにしました。回路1 原理図に近い回路です。バイアスはかなり簡略化しています。上側は実際には能動素子のフォロアなどを使って作るか、キャパシタで上げることになります…
概要 通常の二段差動回路は初段が抵抗負荷なので、初段カレントミラー負荷の構成と比べると直流ゲインで劣ります。 初段を定電流負荷にすれば、限界までゲインを絞れます。ただし、単純に定電流負荷にしても電位が安定しないので、直流帰還が必要です。これ…
はじめに ZDRやD-NFBは怪しい技術だとずっと思っていましたが、ごく単純であることを悟りました。そこで説明を書きます。 簡単なモデル 単純のために0dBアンプを考えます。信号源、理想バッファ、何らかの回路と負荷があるとします。何らかの回路が補正した…
はじめに 準コンプリ出力段は対称性が悪いと言われて久しいですが、MOS-FETでちゃんと設計したものはかなり良好な対称性を発揮します。これは以前の記事でも触れました。www.audio-simulation.net せっかくなのでもう少し追求してみます。 おさらい 以前との…
電源にインダクタのある回路を書いてみます。電源にインダクタAC特性 やばい。なにが起きているのか? たぶん素子の帰還容量あたりとLC直列共振して手のつけられないことになっています。 パスコンを入れて対策します。パスコン挿入AC特性 ちょっと共振っぽ…
はじめに 前回の記事では基本的なアース配線の考え方について説明しました。www.audio-simulation.net そこで、今回はもう少し実践的な例として、電源を共有するステレオアンプのアース配線について書こうと思います。ステレオアンプのアース配線は妥協が必…
はじめに アンプを自作する上で避けては通れないトピックに、アース配線があります。 たいていは極端に変なことをしなければ(ループとか)適当に太めの線で繋げば音はまともに出ますし、アース配線の良し悪しで音質が変わる……なんてことも正直感知できるほ…
はじめに 同極性SEPPといえば準コンです。好き好んで使う人もあまりいないと思いますが、将来コンプリパワー素子が入手できなくなることを危惧して、今のうちに使い物になるかどうかチェックしておきます。 シミュレーション こんな回路です。シミュレーショ…
はじめに 今更感が強すぎますが、金田式完全対称を見ます。同極性PPの実力を確認したいからです。 素子と定数は勝手に決めるので、金田式に準拠はしていません。 シミュレーション こんな回路。金田式完全対称風回路 定数は私の流儀で決めているので、金田式…
はじめに スーパーフィードフォワードの実践的なシミュレーションの仕方がやっとわかったので、書きます。 過去の記事 www.audio-simulation.net www.audio-simulation.net www.audio-simulation.net 方法と結果 まず次のような回路を用意します。基本回路 …
スーパーソースフォロアSEPPの場合、B級動作させようとすると定電流が気絶したりしてとても面倒くさいことになります。シミュレーション回路 アイドリングは10mA電圧波形 出力と上下のゲートを見ていますが、明らかにやばそう。出力FFT とても高い周波数ま…
はじめに 以前検討した方法は上下のパワー素子のゲートを電圧源でつなぐという扱いづらいものでした。「別にそんなことしなくても、単に上下独立で電流帰還すればできるんじゃね」と思ってやってみたところできました。www.audio-simulation.net 回路とシミ…
はじめに AB級でパラレルSEPP出力段の場合、すべての素子を同じバイアスに設定するより、バイアスをずらした方が好結果を生む可能性があります。 シミュレーション こんなやつです。シミュレーション回路 上側ドレイン電流を見ます。上側ドレイン電流 電源か…
通常のオーディオアンプでは出力段の歪みが主な歪みの要因になると言われていますが、歪みが出力段に起因するかどうかは無負荷時と負荷時を比べれば容易に判断できます。 無負荷で歪みが生じていたら、それは電圧増幅段に起因するので、出力段は無関係という…
概要 以前から気になっていたベース電流ドライブアンプについてシミュレーションしてみます。 私の発案ではありません。 出典:http://www.geocities.jp/mutsu562000/hp008.htm シミュレーション このような回路です。シミュレーション回路 とりあえずAC特性…
はじめに 電流正帰還アンプは出力インピーダンスの負性インピーダンス化によってMFBを実現する方法ですが、既存の回路だと対アース出力にならない(電流検出抵抗が負荷・アース間に入る)ので何かと扱いづらい面がありました。 電流検出抵抗の両端電位をオペ…
はじめに ここ一週間くらい、デリケートな初段の負荷を軽くしてトータルの性能を稼ぐというコンセプトのアンプについて検討を続けてきたのですが、3段増幅では確かにシミュレーション上は良さそうなものの、現実に実装するのはとても大変そう、という現実に…
概要 以前の記事ではちょっとAC特性が変な感じで、回路の特性もいまいちつかめなかったので再挑戦しました。www.audio-simulation.net シミュレーション まず回路を示します。設計した回路 前回からの改善点は、 初段をカスコード化したら低域の位相の謎回転…
概要 半導体アンプでもA級シングル出力段はたまに試みられることがあります。 定電流負荷のフォロアで考えるとして、電流で見た効率はA級PPの半分になり、つまり電力効率はA級PPのたった1/4です(二乗で効いてくるので)。正気の沙汰ではないのですが、それ…
はじめに 金田式PPレギュレータについては「アレは効くのだろうか」というもやもやした疑問がずっとあったので、シミュレーションで見てみます。 シミュレーション シミュレーション回路を以下に示します。シミュレーション回路 左が通常のシリーズレギュレ…
概要 できるだけ少ない能動素子の数で、まともな特性のワイドラー型アンプを作るとしたらどうしたら良いだろう? という探究心のもと回路を書いてシミュレーションしてみました。 以下のような制約を設けます。 バイポーラトランジスタと受動素子だけ使う い…
前回の記事ではフォールデッドカスコードでドライブ段なしで試しましたが、今回は通常の電圧バッファとしてオペアンプと組み合わせます。 前回の記事 www.audio-simulation.net さて、このような回路です。回路1 カスコード用のFETはドライブ段から生やしま…
カスコード・ブートストラップ出力段は力技の極みのような手法ですが、割と有望です。 効果がわかりやすいようにフォールデッドカスコードでシミュレーションします。基本的な回路 何回か似たような回路をこのブログにアップロードしたことのある、何も考え…
いつも実感することですが、純A級出力段は本当に優秀です。オーディオアンプの性能は出力段がボトルネックになるという説がありますが、昨今の高gm素子を用いた純A級出力段にはあてはまらないのではないかと思っています。無帰還出力段 アイドリング電流は1A…
インバーテッドダーリントンでBTLの場合、クロス中和のテクニックが使えて高周波特性を改善できます。ベース回路 パワーMOS-FETのゲート容量が大きすぎて高周波特性が伸びない回路です。 当然こうなります。周波数特性 反対側の出力とゲートを適当な容量で連…
出力段をパラレル化するのと、シングルプッシュプルでたくさんアイドリングを流すのとどちらが良いのか疑問だったので、確認してみます。シミュレーション回路(歪み測定) 左:通常方式で1A流している回路 右:0.25Aを4つパラにした回路 1kHz・1VrmsのFFTで…
概要 B級アンプでカスコードの如くA級アンプをドライブする形式のアンプがあります。上条氏が研究していた回路です。これなどがそうです。www.ne.jp 狙いは、A級の低歪みさとB級の電力効率の良さを両立させることです。基本的にAB級より冴えたやり方です。た…
概要 通常のフィードフォワード・パワーアンプでは、どんな方式にせよ補正アンプの歪みが野放しになるという問題があります。基本的なフィードフォワード回路の例www.audio-simulation.net しかし、理論的には補正アンプの歪みもフィードフォワードで解消で…
はじめに 以前スーパーソースフォロアについて記事を書きました。MOS-FETのインバーテッドダーリントンで、強力な局所帰還によって特に低周波側の特性を改善できる回路です。www.audio-simulation.net ただし、この回路には素直にSEPPが作れないという問題点…