オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

低域ブースト電流正帰還

こういう回路について考えます。低域ブースト電流正帰還 ぱっと見では負帰還側をいじった電流正帰還回路。負帰還側はバスブーストです。AC特性 最終ゲインでもたしかにバスブーストされます。しかし、これだけでは面白くありません。 注入法で出力インピーダ…

スピーカーのf0共振と逆起電力

スピーカーのf0共振と逆起電力の効果を確認するため、スピーカーのインピーダンス特性を模した回路でシミュレーションを行います。シミュレーション回路 定数はこちらからお借りしました。電流正帰還 電池式完全対称型パワーアンプ 流れる電流はこうなります…

準コンプリメンタリー出力段

はじめに 同極性SEPPといえば準コンです。好き好んで使う人もあまりいないと思いますが、将来コンプリパワー素子が入手できなくなることを危惧して、今のうちに使い物になるかどうかチェックしておきます。 シミュレーション こんな回路です。シミュレーショ…

金田式完全対称アンプのシミュレーション(雰囲気だけ)

はじめに 今更感が強すぎますが、金田式完全対称を見ます。同極性PPの実力を確認したいからです。 素子と定数は勝手に決めるので、金田式に準拠はしていません。 シミュレーション こんな回路。金田式完全対称風回路 定数は私の流儀で決めているので、金田式…

スーパーフィードフォワード実践編(ただしシミュレーション)

はじめに スーパーフィードフォワードの実践的なシミュレーションの仕方がやっとわかったので、書きます。 過去の記事 www.audio-simulation.net www.audio-simulation.net www.audio-simulation.net 方法と結果 まず次のような回路を用意します。基本回路 …

スーパーソースフォロアSEPPのB級動作

スーパーソースフォロアSEPPの場合、B級動作させようとすると定電流が気絶したりしてとても面倒くさいことになります。シミュレーション回路 アイドリングは10mA電圧波形 出力と上下のゲートを見ていますが、明らかにやばそう。出力FFT とても高い周波数ま…

スーパーソースフォロアSEPPのバイアス(改良版)

はじめに 以前検討した方法は上下のパワー素子のゲートを電圧源でつなぐという扱いづらいものでした。「別にそんなことしなくても、単に上下独立で電流帰還すればできるんじゃね」と思ってやってみたところできました。www.audio-simulation.net 回路とシミ…

電流デュプリケーター

カレントミラーを向かい合わせにしたような回路を使うと、あるノードに流れる電流を損なわずに他のノードに移し替えることができます。移し替えるといってもあくまでも低周波の話です。電流デュプリケーター電流波形 この程度の精度。ウィルソン型カレントミ…

電流スプリッター

電流を均等に分けたり、好きな比率で分割したりする回路です。カレントミラーのエミッタから流し込むとそうなります。概要波形 多連出力も可能。3分割型電流波形 比率を変えたい場合はエミッタ抵抗をいじります。この場合歪みは悪化すると思います。比率を変…

AB級パラレルSEPP出力段のずらしバイアス

はじめに AB級でパラレルSEPP出力段の場合、すべての素子を同じバイアスに設定するより、バイアスをずらした方が好結果を生む可能性があります。 シミュレーション こんなやつです。シミュレーション回路 上側ドレイン電流を見ます。上側ドレイン電流 電源か…

オペアンプ初段と二段目の出力インピーダンス

はじめに コンベンショナルなオペアンプ増幅回路の内部の電圧増幅段の出力端子のインピーダンスが気になったので調べました。 たとえばこのようなパワーアンプを考えます。コンベンショナルな回路 方法と結果 そのままではNFBがかかっているので、うまく調べ…

無負荷の歪み

通常のオーディオアンプでは出力段の歪みが主な歪みの要因になると言われていますが、歪みが出力段に起因するかどうかは無負荷時と負荷時を比べれば容易に判断できます。 無負荷で歪みが生じていたら、それは電圧増幅段に起因するので、出力段は無関係という…

ベース電流ドライブアンプ

概要 以前から気になっていたベース電流ドライブアンプについてシミュレーションしてみます。 私の発案ではありません。 出典:http://www.geocities.jp/mutsu562000/hp008.htm シミュレーション このような回路です。シミュレーション回路 とりあえずAC特性…

カレントミラーで進相補償

はじめに 電流帰還のかかったカレントミラーでは位相を進めゲインを高めるゼロを作ることができます。 シミュレーションで検証してみます。 シミュレーション こんな感じです。シミュレーション回路 右の回路の100pFと50Ωでゼロを作ります。50Ωは必須ではあ…

高性能カレントミラー

はじめに カレントミラーの性能に疑問があったのでシミュレーションしました。 普通のカレントミラー(ワイドラー型)とウィルソン型 ウィルソン型は帰還がかかるので有利です。シミュレーション1 AC特性。AC特性1 歪み特性。FFT1 こうしてみるとウィルソン…

反転型対アース出力負性出力インピーダンスアンプ

概要 前回の記事で「反転型だと入力インピーダンスが負にならないので、その方が良いかも」と書いたので、反転型についても利得を計算しておきます。www.audio-simulation.net 計算 回路はこうです。原理図 前回、抵抗比をいちいち入力するのが面倒くさかっ…

オペアンプ1つで対アース出力の電流正帰還(負性インピーダンス)回路

はじめに 電流正帰還アンプは出力インピーダンスの負性インピーダンス化によってMFBを実現する方法ですが、既存の回路だと対アース出力にならない(電流検出抵抗が負荷・アース間に入る)ので何かと扱いづらい面がありました。 電流検出抵抗の両端電位をオペ…