オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

半導体版・全段差動プッシュプルの原理

概要 全段差動PPを半導体で作るとしたら? というテーマをずっと考えていたのですが、MOS-FETのSRPPによって道が開けました。www.audio-simulation.net 回路 こんなのです。回路 なんじゃこりゃと思った人もいるかもしれませんが、シンプルな回路です。初段…

MOS-FET SRPPの基礎研究

A級アンプの出力段に使えるかもしれないと思い、MOS-FETのSRPPについて調べてみることにしました。回路1 原理図に近い回路です。バイアスはかなり簡略化しています。上側は実際には能動素子のフォロアなどを使って作るか、キャパシタで上げることになります…

二段差動で限界までゲインを搾り取る

概要 通常の二段差動回路は初段が抵抗負荷なので、初段カレントミラー負荷の構成と比べると直流ゲインで劣ります。 初段を定電流負荷にすれば、限界までゲインを絞れます。ただし、単純に定電流負荷にしても電位が安定しないので、直流帰還が必要です。これ…

ZDR・D-NFBのわかりやすい解説

はじめに ZDRやD-NFBは怪しい技術だとずっと思っていましたが、ごく単純であることを悟りました。そこで説明を書きます。 簡単なモデル 単純のために0dBアンプを考えます。信号源、理想バッファ、何らかの回路と負荷があるとします。何らかの回路が補正した…

MOS-FET準コンプリ出力段の対称性

はじめに 準コンプリ出力段は対称性が悪いと言われて久しいですが、MOS-FETでちゃんと設計したものはかなり良好な対称性を発揮します。これは以前の記事でも触れました。www.audio-simulation.net せっかくなのでもう少し追求してみます。 おさらい 以前との…

出力段パスコンの存在意義

電源にインダクタのある回路を書いてみます。電源にインダクタAC特性 やばい。なにが起きているのか? たぶん素子の帰還容量あたりとLC直列共振して手のつけられないことになっています。 パスコンを入れて対策します。パスコン挿入AC特性 ちょっと共振っぽ…

自作アンプのアース配線の考え方【ステレオアンプ編】

はじめに 前回の記事では基本的なアース配線の考え方について説明しました。www.audio-simulation.net そこで、今回はもう少し実践的な例として、電源を共有するステレオアンプのアース配線について書こうと思います。ステレオアンプのアース配線は妥協が必…

自作アンプのアース配線の考え方【基本編】

はじめに アンプを自作する上で避けては通れないトピックに、アース配線があります。 たいていは極端に変なことをしなければ(ループとか)適当に太めの線で繋げば音はまともに出ますし、アース配線の良し悪しで音質が変わる……なんてことも正直感知できるほ…