オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



MOS-FET SRPPの基礎研究

 A級アンプの出力段に使えるかもしれないと思い、MOS-FETのSRPPについて調べてみることにしました。

回路1
回路1

 原理図に近い回路です。バイアスはかなり簡略化しています。上側は実際には能動素子のフォロアなどを使って作るか、キャパシタで上げることになります。

波形
波形

 対称性はこんなものでしょう。定数にこだわらなかった割には良い気がします。振幅0.1Vしか入れていないのでハイゲインです。

AC特性
AC特性

 40dBもゲインがあります。位相回転の性質そのものはそれほど悪くはないようです。この辺でふと気づいて、出力インピーダンスを見てみることにしました。

出力インピーダンス計測回路
出力インピーダンス計測回路

出力インピーダンス
出力インピーダンス

 基本的に電流出力で、6dB/octで落ちるので容量性です。

 念の為負荷インピーダンスを変える方法でも見てみます。

回路2
回路2

結果
結果

 典型的な電流性出力です。

 どちらの素子も飽和特性なので、Zoを下げたりする効果は働かないということでしょう。局所帰還をかけて調整することはできると思いますが、対称性の確保に手を焼きそうです。

 低Zoにならなかったのはちょっと残念でしたが、電流出力でよければやれることはわかったので、応用を考えてみます。