オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



電源関連

低電圧ヘッドホンアンプのための電圧増幅段ブートストラップ

はじめに 006P一発とかのアンプを組もうとすると、せめて電圧増幅段の電源がもう少し高ければ出力がだいぶ増やせるのだが、というケースがあります。 一番簡単な方法として、ブートストラップでできますが、必ずしもおすすめはできません。 シミュレーション…

出力段パスコンの存在意義

電源にインダクタのある回路を書いてみます。電源にインダクタAC特性 やばい。なにが起きているのか? たぶん素子の帰還容量あたりとLC直列共振して手のつけられないことになっています。 パスコンを入れて対策します。パスコン挿入AC特性 ちょっと共振っぽ…

自作アンプのアース配線の考え方【ステレオアンプ編】

はじめに 前回の記事では基本的なアース配線の考え方について説明しました。www.audio-simulation.net そこで、今回はもう少し実践的な例として、電源を共有するステレオアンプのアース配線について書こうと思います。ステレオアンプのアース配線は妥協が必…

自作アンプのアース配線の考え方【基本編】

はじめに アンプを自作する上で避けては通れないトピックに、アース配線があります。 たいていは極端に変なことをしなければ(ループとか)適当に太めの線で繋げば音はまともに出ますし、アース配線の良し悪しで音質が変わる……なんてことも正直感知できるほ…

消費電流の大きな回路の電源には大容量コンデンサが必要

概要 タイトルの通り、「消費電流の大きな回路の電源には大容量コンデンサが必要」なのですが、知らない人も多いと思うのでシミュレーションでわかりやすく見てみます。シミュレーション回路 アバウトですが、正負20Vくらいの2電源の電源です。負荷抵抗を4kΩ…

金田式PP(プッシュプル)レギュレータの秘密(効能)

はじめに 金田式PPレギュレータについては「アレは効くのだろうか」というもやもやした疑問がずっとあったので、シミュレーションで見てみます。 シミュレーション シミュレーション回路を以下に示します。シミュレーション回路 左が通常のシリーズレギュレ…

カスコード・ブートストラップ出力段

カスコード・ブートストラップ出力段は力技の極みのような手法ですが、割と有望です。 効果がわかりやすいようにフォールデッドカスコードでシミュレーションします。基本的な回路 何回か似たような回路をこのブログにアップロードしたことのある、何も考え…

B級アンプドライブA級アンプ

概要 B級アンプでカスコードの如くA級アンプをドライブする形式のアンプがあります。上条氏が研究していた回路です。これなどがそうです。www.ne.jp 狙いは、A級の低歪みさとB級の電力効率の良さを両立させることです。基本的にAB級より冴えたやり方です。た…

レールツーレール出力のアンプ回路

はじめに 通常、出力段にフォロアを持つタイプのアンプ回路では、電源電圧まで出力を得ることは困難です。 特に、正負2電源で動作させるような場合、レールツーレール(Rail to Rail)動作は極めて困難です。これは電圧増幅段の動作範囲で出力可能な電圧の範…

疑似正負電源回路についてシミュレーションする

疑似正負電源回路・レールスプリッタ回路についてシミュレーションで考察します