オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



スーパーリニアサーキット・ヘッドホンアンプ

概要

 以前の記事では高周波特性がうまく整わなくてシミュレーションできませんでしたが、なんとか仕上げました。

www.audio-simulation.net

変更点

  • 一段目の電流を出力に流すのを諦めた

 電力効率的には魅力的な方法なのですが、おそらくカレントミラーの位相回転のせいでひどいことになるのでやめました。

  • カレントミラーを単純なワイドラー式に変更
  • バイアス電圧を抵抗+定電流で与えるようにした

シミュレーション

 シミュレーション回路を以下に示します。

シミュレーション回路
シミュレーション回路

 左が通常のダイアモンドバッファ、右がスーパーリニアサーキットです。

 バッファ部のAC特性を示します。

AC特性
AC特性

 一見良さげですが、SLCの方は駆動インピーダンスが高いと発振傾向を示します。まあ、オペアンプの出力段が10Ωでドライブしてくれるということで(現実には厳しいだろうけど。対GNDでCでも入れるべき?)。

 1kHz・1Vrmsの際のFFTです。

FFT
FFT

 3次歪みで約-40dBの改善。意外と顕著に効きます。

まとめ

 まあ、これはもうちょっと詰めれば、作ればできる水準まで行きそうな気がします。

 ヘッドホンアンプがほしくなったらやってみるかな・・・。音はどうだろう。ある意味バイポーラの電流正帰還アンプみたいなものなので、解像度の高いクリア系だろうと密かに予想しているのですが。