オーディオアンプとシミュレーション

主にLTSpiceを使ったオーディオのシミュレーションについて書きます。



プリアンプやラインアンプを作るときは出力にRを入れるべき

はじめに

 プリアンプやラインアンプを作る場合、ボルテージフォロアやそれに類似した回路を出力段に使うケースが多いと思います。

 ロー出しハイ受けの原則に従ってそのまま使う人が多いようですが、発振させたくなければ出力に直列にRを入れるべきです。フォロア+容量負荷は発振するからです。

シミュレーション

 まず最初に見るのは以下のようなものです。

シミュレーション回路1
シミュレーション回路1

 右のケーブルの等価回路の形式および定数に強い根拠はありませんが、極端に外してはいないと思います。

 この回路、ちゃんと動きません。

結果
結果

 フォロアに容量負荷というダメな組み合わせなので、当然こうなります。素のオペアンプからそのまま出力を引き出してプリにしている人などは要注意です。

 対策として300Ωを挿入します。

対策した回路
対策した回路

対策した回路の出力
対策した回路の出力
 改善しました。

まとめ

 このように何も考えないと発振傾向を示し、音質以前の問題になってしまいます。

 適当な抵抗を入れることをおすすめします。